メロン

2016年10月6日放送の「カンブリア宮殿」で
「千疋屋」がとりあげられました。

伝統は革新だ!第3弾。

日本一有名な老舗果物店の
知られざるフルーツ革命!

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超一級品だけを扱う千疋屋

その名を全国に知られる千疋屋。
本店は日本橋のランドマークとなっているビルの中にあります。
宝飾店を思わせる店内。
江戸後期より182年も続く老舗。

取り扱っている果物は選び抜いた30種類。
その中身を見てみると宮崎県産の完熟マンゴーは8640円。
岡山県産の白桃は3780円。
千疋屋が扱うのは超一級品だけ。

千疋屋が扱うのは味と形の両方が揃った
超一級品だけ。

その8割は国内産。


千疋屋フルーツパーラー

そんな高級フルーツを贅沢に味わえる場所があります。
2階のフルーツパーラー。

ここには果物を知り尽くしおいしく
カットするプロがいる。
この道30年のベテラン両角シェフ。

プロの技でおいしさの引き出されたフルーツが
バランスよく盛られたスペシャルパフェ。
お値段は1944円。

高級フルーツが少しずつたくさん食べられる
パーラーの人気メニュー。

千疋屋のメロン

そんな特別感あふれる千疋屋の果物。
そのブランド力から購入目的の9割が贈答用。

なかでも千疋屋の看板を背負っているのが
マスクメロン。
果物の売り上げの2割をたたき出すが
1つ1万4000円もする。
どうしてこんな値段になるのか?

その秘密を探るべく静岡の生産農家へ。
メロンは南側に大きく屋根を広げた
独特のハウスで作られます(中条メロン園)

静岡は温室メロンの収穫量日本一。
そんな特産地で親子3代40年以上
千疋屋のメロンを作っているのが中條さん。

中條さんが作っているのは
マスクメロンのなかでも特に糖度が高く
網目は美しく張り出した
クラウンメロンというブランド。

栽培方法のいちばんの特徴は
1本の茎に1つの実を育てる一茎一果。

通常5~6個の実がなるがそれを1つだけ残し
あとは間引いてしまうのです。

1つの木に2つの実をつければ収穫は倍になるが
品質も味も半分以下になってしまう
といいます。

残す実も選び抜く。
なっているメロンを見ると
どれも同じような高さに実をつけています。

まさにこだわりメロン農家。

そんな中條さんのハウスにスーツ姿の男がやってきた。
この男こそ千疋屋6代目大島博社長。
中條さんのハウスは毎年必ず見にきている大島社長。

しかし直接契約はしないという。
その理由は、常に生産者がいいものを
作れるとは限らないから。

特定の契約農家を作らず
出来のいいものを仕入れる品質至上主義。

それでも中條さんは言う
「千疋屋のマスクメロンコーナーに置いてもらえれば
励みになるし、自信にもなる。」

では中條さんが手塩にかけたメロンを追いかけてみよう。

運ばれた先は東京の大田市場。

ここで千疋屋が仕入れを任せているのが
仲卸の(株)神田万彦。

メロンの目利きはこの道28年の
曽根さんが担当しています。

メロンの競りが始まった。

全国各地から出荷されてきたメロンを
仲卸業者が瞬時に目利きしていく。

これはと思うものは値を上げても買い付ける仕事。
中條さんのメロンが流れてきた。
すると曽根さんひと目見てすかさず落札。

この日だけで80箱のメロンを買い付けた曽根さん
そのなかには中條さんのメロンも2箱。

これが千疋屋にいく。
選んだ決め手は何だったのか?

千疋屋に卸す果物の基準は
まず見た目、そして糖度。

千疋屋に卸す果物には厳しい基準があるとのこと。
見た目もそのひとつ。

桃にも高い千疋屋基準があるという。
この日千疋屋用に買い付けた桃は機械の上へ。
糖度をはかっています。。

普通の桃はだいたい13.5くらい。
千疋屋に出せるのは糖度14%以上。
これは結構厳しい数字

これだけ多くのプロが関わり、
間違いのないものだけが千疋屋に並ぶ。
だから特別な値段になるのです。

商品には絶対の自信があるから
売るときにはこんなものまでつけている。
それは保証書。

万が一品質的に納得のいかないものがあったら
新しい商品と交換できるのです。

スタジオで小池栄子さんが
「保証書を持ってきて交換してほしいなんて
言う人いるんでうか」と聞くと
いるそうです。

輸送の時に傷んだりすることがあり
100%完ぺきではないとのこと。

また、「売れ残ったものを値引して
販売するってことはないんですか?」と聞くと
一切しないそうです。

贈答品のお客様の場合、
送り主が心を込めて贈るので
値段が下がってしまうと
価値がないとこと。

千疋屋の歴史

埼玉県は越谷市に千疋屋ゆかりの地があります。。
6代目の大島が案内してくれた先は小さな神社、
伊南理神社。

店の名前と同じ珍しい漢字の千疋という文字が。
ここはかつて千疋村といい、屋号もこの地に由来。

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桃の名所で、この桃を江戸で売ったのが
現社長の大島から6代前の初代大島弁蔵。

弁蔵は川で桃や野菜を運び
天保5年に日本橋人形町で創業した。
最初は安売りの店だった。

高級店に変えたのんが2代目の妻、むら。

商家の娘で商才があり、
料亭などへの販路を切り開いた。
当時のご贔屓には西郷隆盛もいたとのこと。

明治時代には当時、まだ日本に入ってきていなかった
バナナやパイナップルをいち早く輸入。

そんな味を広めるべく明治時代には
日本初の果物食堂をオープン。

千疋屋は日本の果物文化の先頭を走ってきたのです。
6代目の大島博の代には大きな転機を向かえる。

こうして押しも押されもせぬ名店となった千疋屋だが
6代目大島社長の代には大きな転機を迎えます。

大島社長の入社は1985年。
当時の日本は狂乱のバブルに向かう
好景気に沸いていました。
当時千疋屋の得意先は企業。

お中元やお歳暮の季節には
贈答用のメロンが爆発的に売れました。

ところが1992年、
バブルが崩壊すると企業が買い控え売上減少。

大島社長の大改革

そんな逆風のなか1998年社長に就任。
そして店のあり方を見直し、
大改革を断行します。

価格が高い品ぞろえで敷居が高い。
そこで考えたのが
フルーツを置かない果物店。

その実態は千疋屋羽田空港店を見ればわかります。
店内で売られているのはゼリーやプリン、
杏仁豆腐といったオリジナルの加工品ばかり。

この千疋屋には生の果物は1つも置いていない。

そのねらいはフルーツだと1000円以上してしまう。
それだと気軽に買えない。

主力商品を高い果物から手ごろなスイーツに変え
店の敷居を下げたのです。

効果はてきめん。
売り上げの八割が加工品に。

大島の社長就任時から売り上げは倍増。
70億円と過去最高になりました。

ただし店の敷居は下げても
伝統のブランドイメージは守り抜く。

スイーツの自社工場にあったのは
あの静岡産の最高級マスクメロン。

それを惜しげもなくカットし、
1個数百円のスイーツに使っています。

店頭の高級フルーツと変わらない味を
スイーツでも提供しているのです。

こうしたヒットスイーツを生み出してきたのが
社長の従兄ので大嶋有志生開発部長。

フルーツ杏仁もこの男のアイディア。

月2回の開発会議

新たな商品は月に2回の開発会議で
常に検討されています。

開発スタッフが持ってきたのは
大きな栗ののったケーキ。

イチゴのケーキよりも数が作れるマロンケーキを
今年のクリスマスに売り出してはどうかという提案。

開発のキーマン大島は反対。
とりあえず試食してみることに。

味はおいしいのですが、
この会議ではクリスマスの新商品は保留に。

それから2週間後。
次のアイディアが商品になったという連絡が。

そこで見せてくれたのが
イチゴのクリスマスケーキ。

大島部長「全国のお客様から
千疋屋のクリスマスケーキはどうしたら食べられる?
と聞かれるので、配送も可能なスタイルで新しく作った。」

今までのクリスマスケーキだと
形のつごうで運搬会社を使っての配送はできなかった。

そこで今までのケーキと同じイチゴやクリームを使って
ロールケーキを作ったのです。
これも大島部長のアイディア。

こだわりはカットした断面にあり、
どこを切っても大きなイチゴが顔を出すようにした。

その後の開発会議で試食し、
「いちごが主役のクリスマスロール」が
千疋屋の新しいクリスマスケーキが決定!

お取り寄せ可能とのことです。


お歳暮にマンゴー

北海道十勝平野の音更町
大島が農家の視察に向かっていた。

実はこれから訪ねる農家である果物の
画期的な生産が始まっているという。

ハウスの中をみると植物に小さな青い実が。
これこそが千疋屋のこの冬の目玉フルーツ!。

これは冬に実るマンゴー。

育てているのはノラワークスジャパンの中川さん。
たまたま宮崎で食べたマンゴーに感動し
地元の仲間とともに6年前からマンゴー作りに挑んでいます。

マンゴーは東南アジア原産の南国フルーツだが
北海道で育てるメリットもあるという。

湿気がないので害虫もほとんどいない時期に作れ
それにより農薬を使わずにマンゴーが作れる。

更に後押ししてくれたのが地元に湧き出す十勝川温泉。

ハウスの下にパイプをめぐらせ
温泉を流すシステムを作り
燃料費のかからない暖房を実現しました。

そしてもう一つ予想外の資源も活用。

ハウスの脇に積んであったのは大量の木くず。

その下には何やら白いものが保存してあった。
実はこれ、冬に降った雪。

マンゴーは冬に花を咲かせ、夏に実をつける植物。

ここでは夏に雪をとかした冷水を流して
ハウスを冷やし、マンゴーに花芽をつけさせ
冬には温泉を流して、ハウスを温め実をつけさせる。

自然エネルギーだけで季節を逆転させたのです。
このシステムは産学協同で開発。

アドバイザーを務めたのは東京農業大学の宮田先生。

このエコなマンゴーに大島社長は惚れ込み
去年からテスト販売を開始。

お歳暮にマンゴー。

そんな時代が近づいている。
歳暮商戦の新たな切り札に!


おいしいフルーツの見分け方!

千疋屋直伝
おいしいフルーツの見分け方!

教えてくれるのは販売歴45年の
プロ中のプロ!

まずは旬の梨から
同じ大きさなら重いほうを選べば甘い。

旬のリンゴのポイントは音!
高い音ほどいい。
低い音のものは果肉が柔らかく
食感がよくない。

もう一つ一年中食べられるバナナ。
斑点のあるほうが食べごろに近い。
シュガースポット(斑点)が出てきたときに
食べるのが一番おいしい。

この秋はおいしいフルーツを楽しんじゃいましょう!

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